Sレジスタとは?

Sレジスタとは、ATコマンドと同様にモデムに関する各種設定、保存を行うための記憶領域を指します。
Sレジスタにアクセスすることで、パソコンからモデムの設定を行ったり、確認したりすることができます。

書式:ATSn=x

”n”にレジスタ番地を、”x”に設定する値を指定してください。
Sレジスタの内容を参照するにはATSn?コマンドを実行してください。

Sレジスタは読み取り/書き込みですが、S14など読み取り専用のものもあります (ATSn=xコマンドを実行できますが正常に動作しません)。
使用不可となっているSレジスタは画面に表示されません。これらのレジスタはモデムの誤動作を防ぐため書き込みができません。

対応しているSレジスタの一覧は下の通りです。

Sレジスタ一覧

レジスタ

機能

初期値

範囲

属性

単位

&Vnで表示

S0 *

自動着信までの呼出音回数を設定

0:自動着信無効

0-255

R/W

回数

S1

呼出音をカウントする

0

0-255

R/W

回数

S2 *

エスケープキャラクタを定義

43 (”+”に相当)

0-127

R/W

ASCII

S3

キャリッジリターンに使用する文字を定義

13 (”CR”に相当)

0-127

R/W

ASCII

S4

ラインフィードに使用する文字を定義

10 (”LF”に相当)

0-127

R/W

ASCII

S5

バックスペースに使用する文字を定義

8 (”BS”に相当)

0-32、127

R/W

ASCII

S6 *

ダイヤル開始までの待ち時間を設定

4

4-255

R/W

S7 *

ダイヤル後のキャリア待ち時間を設定

60

30-110

R/W

S8 *

ダイアルポーズ(休止)時間を設定

2

0-255

R/W

S9 *

キャリア検出時間を設定

6

1-255

R/W

0.1 秒

S10 *

回線切断までの時間(キャリア未検出時)

14

1-255

R/W

0.1 秒

S11 *

DTMFトーン発信音の長さを設定

70

70-255

R/W

ミリ秒

S12 *

エスケープコマンドのガード時間の設定

50

0-255

R/W

(0.02 秒)

S14 *

各種設定値のビットマップレジスタ

なし

-

R

-

×

S18 *

モデムテストタイマの設定

0:テスト終了

0-255

R/W

S21 *

各種設定値のビットマップレジスタ

なし

-

R

-

×

S22 *

各種設定値のビットマップレジスタ

なし

-

R

-

×

S23 *

各種設定値のビットマップレジスタ

なし

-

R

-

×

S25 *

DTR(ER)検出時間を設定

5

0-255

R/W

0.01 秒

S27 *

各種設定値のビットマップレジスタ

なし

-

R

-

×

S30 *

無通信(データの送受信)状態検出から回線切断までの時間の設定

0:タイマ無効

0-255

R/W

S31 *

各種設定値のビットマップレジスタ

なし

-

R

-

×

S33 *

スリープモードタイマの設定

0:タイマ無効

0-90

R/W

S37 *

最大データ転送レート

0:DTE速度を使用

0-35

R/W

-

(*)NVRAMに設定値が保存されるレジスタ

(R/W) - 読み取り/書き込み

(R)読み取り専用

Sレジスタの詳細

S0 自動着信までの呼出音回数を設定:
モデムが自動着信を行うまでの呼出音回数を1〜255回の範囲で指定します。ここで設定した値の数だけ呼び出し音を検出すると着信を始めます。
値を”0”に設定すると、自動着信は禁止されます。

範囲:0〜255回

初期値:0(自動着信無効)

S1 呼出音をカウントする:
モデムで検出された呼出音の回数が表示されます。最後の呼出音から8秒以内に新たな 呼出音が検出されなかった場合は、”0”にリセットれます。

範囲:0〜255回

初期値:0回

S2 エスケープキャラクタを定義:
HayesエスケープキャラクタまたはTIESエスケープキャラクタ用にASCIIコードをを指定します。初期値は”+”(ASCIIコード43)となっています。128以上の値を設定した場合は、エスケープシーケンスが無効になります。

範囲:0〜127

初期値:43(”+”)

S3 キャリッジリターンで使用するキャラクタを定義:
ATコマンドとリザルトコードで使用するキャリッジリターンを指定します。初期値は<CR> (ASCIIコード13)となっています。

範囲:0〜127

初期値:13(”CR”)

S4 ラインフィードで使用するキャラクタを定義:
リザルトコード(テキスト)で使用するラインフィードを指定します。ASCIIコード(10進数)で定義します。

範囲:0〜127

初期値:10(”LF”)

S5 バックスペースで使用するキャラクタを定義:
直前に入力したコマンドを削除するバックスペースを指定します。 ASCIIコード(10進数)で定義します。
バックスペースの動作は、DTEへバックスペース-スペース-バックスペースの順で送信されることで実行されます。

範囲:0〜32、127

初期値:8(”BS”)

S6 ダイヤル開始までの待ち時間を設定:
オフフックになってからダイヤルを開始するまでの待機時間を指定します。 4秒以下に設定した場合は、最低値である4秒が有効になります。S6の値はATX0、X1またはX3に設定されている場合に、有効になります。無効にするには、発信パラメータに”W”(発信トーン待機時間)を指定してください。発信トーンを検出するX2またはX4に設定されている場合にも無効となります。

範囲:4〜255秒

初期値:4秒

S7 ダイヤル後のキャリア待ち時間を設定:
電話番号が発信されてから、相手モデムから送られて来るキャリアを検出するまでの時間を指定します。時間内に相手モデムからのキャリアが検出されなかった場合は、 回線が切断され、”NO CARRIER”リザルトコードが返されます。キャリアが検出された場合は、オンラインデータモードに切り替えられ、”CONNECT”リザルトコードが返されます。発信パラメータ”W” (発信トーン待機時間)の待機時間の設定です。

範囲:30〜110秒

初期値:60秒

S8 ダイアルポーズ(休止)時間を設定:
発信時、”,”で発信パラメータを遅らせる時間を指定します。

範囲:0〜255秒

初期値:2秒

S9 キャリア検出時間を設定:
相手モデムからのキャリアの伝送時間を指定します。回線上のノイズの影響により、この値を大きくすればより正確にキャリアが検出されます。

範囲:1〜255( 0.1秒単位)

初期値:6(0.6秒)

S10 回線切断までの時間(キャリア未検出時):
キャリア未検出時に回線を切断するまでの時間を指定します。一時的なキャリア喪失が、ここで設定した時間以下の場合は回線は切断されません。(255に設定した場合は、回線が切断されなくなります。)キャリアの存在を確かめる前に 誤って回線を切断することのないように、S10の値はS9の値よりも必ず大きなものに設定します。

範囲:1〜255 (0.1 秒)

初期値:14 (1.4 秒)

S11 DTMFトーン発信音の長さを設定:
DTMF(dual-tone multi-frequency)トーンダイヤル音の長さを指定します。パルス発信時には無効になります。

範囲:70〜255ms

初期値:70ms

S12 エスケープコマンドのガード時間の設定:
HayesエスケープシーケンスとTIESエスケープシーケンスで使用されるガード検出時間を指定します。
エスケープコマンド"+++"を使用してモードの移行を行うには、"+++" の入力の前後と"+"の各文字の間に、入力が全くない時間を挿入しないと、
エスケープコマンドは無効になります。Hayesエスケープシーケンスの場合は、エスケープコード3キャラクタの検出に使用される最小遅延タイマ(ガード時間)を指定します。TIESエスケープシーケンスの場合は、エスケープコード3キャラクタを受信してから”OK”リザルトコードが返されるまでの時間の最大値を指定します。

範囲:0〜255( 0.02秒単位)

初期値:50(1秒)

S14 各種設定値のビットマップレジスタ:
読み取り専用です。ATコマンドの設定が保存されています。

Bit 0 __ 使用不可

Bit 1

0 __ E0
1* __ E1

Bit 2

0*__ Q0
1 __ Q1

Bit 3

0 __ V0
1* __ V1

Bit 4 __ 使用不可

Bit 5

0 __ T(トーン)
1* __ P(パルス)

Bit 6 __ 使用不可

Bit 7

0 __ 着信モード
1* __ 発信モード

 

S18モデムテストタイマの設定:
AT&Tコマンドで実行されるテストを行う時間を指定します。0に設定した場合は、テストは自動的には終了せず、AT&T0または ATHコマンドの入力によって終了します。0以外の値に設定した場合には、モデムはその秒だけ待ってからテストを自動的に終了し、 問題がなければ"OK"リザルトコードを返します。

範囲:0〜255秒

初期値:0秒

S21 各種設定値のビットマップレジスタ:
読み取り専用です。ATコマンドの設定が保存されています。

Bit 0

0* __ &J0
1 __ &J1

Bit 1 __ 使用不可

Bit 2

0 __ &R0
1 __ &R1

Bit 4〜3

00 __ &D0
01 __ &D1
10* __ &D2
11 __ &D3

Bit 5

0 __ &C0
1* __ &C1

Bit 6

0* __ &S0
1 __ &S1

Bit 7

0* __ Y0
1 __ Y1

 

S22 各種設定値のビットマップレジスタ:
読み取り専用です。ATコマンドの設定が保存されています。

Bit 1〜0

00 __ L0
01 __ L1
10* __ L2
11 __ L3

Bit 3〜2

00 __ M0
01* __ M1
10 __ M2
11 __ M3

Bit 6〜4

000 __ X0
001 __ 使用不可
010 __ 使用不可
011 __ 使用不可
100 __ X1
101 __ X2
110 __ X3
111* __ X4

Bit 7

0* __ &P0
1 __ &P1

S23 各種設定値のビットマップレジスタ
:読み取り専用です。ATコマンドの設定が保存されています。

Bit 0

0 __ &T5
1* __ &T4

Bit 3〜1

000 __ 0〜300bps通信レート
001 __ 1200bps
010 __ 2400bps
011 __ 4800bps
100 __ 7200bps
101 __ 9600bps
110 __ 19,200bps
111 __?38.4kbps以上

Bit 5〜4

00* __ 偶数パリティ
01 __ 空白パリティ/パリティなし
10 __ 奇数パリティ
11 __ 記号

Bit 7〜6

00 __ &G0
01 __ &G1
10 __ &G2
11 __ 使用不可

 

S25 DTR(ER)に対する遅延時間を設定:
モデムが&Dnコマンドで定義される動作を行う前に、DTR(ER)を無視する時間を指定します。DTRオフとなっている時間が、ここで設定した時間より短い場合には、設定は無視されます。(&Dnコマンドを参照してください)。

範囲:0〜255(0.01秒単位)

S27 各種設定値のビットマップレジスタ:
読み取り専用です。ATコマンドの設定が保存されています。

Bits 3、1、0

000* __ &Q0
001 __ 使用不可
010 __ 使用不可
011 __ 使用不可
100 __ 使用不可
101 __ 設定なし
110 __ 設定なし
111 __ 設定なし

Bit 2、4、5 __ 使用不可

Bit 7〜6

00 __ B0
01* __ B1
10 __ B2
11 __ B3

S30 無通信(データの送受信)状態検出から回線切断までの時間の設定:
無通信が検出されてから回線が切断されるまでの時間を分単位で指定します。この間にデータの送受信が検出されると内部タイマーはリセットされます。 (電話エミュレートモードでは、このコマンドは無効です)

範囲:0〜255 分

初期値:0分(タイマ無効)

S31 各種設定値のビットマップレジスタ:
読み取り専用です。ATコマンドの設定が保存されています。

Bit 0

0 __ N0
1* __ N1

Bit 1

0* __ &U0
1 __ &U1

Bit 2 __ 使用不可

Bit 3

0 __ -C0
1* __ -C1

Bit 4

0 __ %E0
1* __ %E1

Bit 5

0 __ %G0
1* __ %G1

S33 スリープタイマ: スリープモードまたは電源オフモードに移行するまでの時間を指定します。有効(0以外を指定)にした場合は、設定した時間以上に休止している場合に、スリープモードに移行します。次の場合には、モデムが休止していると判別されます。

  1. 内部処理がまったく行われなかった場合。

  2. 一定時間ホスト-モデム間の通信が行われなかった場合。

  3. オフラインになっている場合。

着信音を検知した、またはホストからリード/ライトが行われた場合は、スリープモードより復帰します。

“0”を設定した場合は、スリープモードが無効になります。

範囲:0〜90 秒

初期値:0(タイマ無効)

S37最大データ転送レート:
最大データ転送レートを設定します(モデムが最初に接続を試みる最高の速度で、後にフォールバックされます)。接続は変調方式と送受信速度で最適化されて実行されます。この設定は+MS=mの最大レートパラメータと同じ動作をします。+MS=mの最大レートパラメータに”0”を設定した場合は、S37にも”0”が設定されます。S37の値はV.32 ビット再トレーニング/レートネゴシエーション中は、無効になります。

n = 0〜19

n = 0 __ DTE速度
n = 1 __ 使用不可
n = 2 __ 使用不可
n = 3 __ 300
n = 4 __ 使用不可
n = 5 __ 1200
n = 6 __ 2400
n = 7 __ 4800
n = 8 __ 7200
n = 9 __ 9600
n = 10 __ 12,200
n = 11 __ 14,400
n = 12 __ 16,800
n = 13 __ 19,200
n = 14 __ 21,600
n = 15 __ 24,000
n = 16 __ 26,400
n = 17 __ 28,800
n = 18 __ 31,200
n = 19 __ 33,600
n = 20 __ 36,000
n = 21 __ 33,333
n = 22 __ 37,333
n = 23 __ 41,333
n = 24 __ 42,666
n = 25 __ 44,000
n = 26 __ 45,333
n = 27 __ 46,666
n = 28 __ 48,000
n = 29 __ 49,333
n = 30 __ 50,666
n = 31 __ 52,000
n = 32 __ 53,333
n = 33 __ 54,666
n = 34 __ 56,000
n = 35 __ 57,333

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S_regist.html バージョン

2001年 02月14日 Ver1.0 pl0